Makun考察

哲学や教養についての基礎的な物事と社会一般に応用できる実践的な物事に対する考察ブログ

理解とひらめきは「新結合」で生じるという仮説

人間の高次の知能活動として挙げられる物事の「理解」と「ひらめき」。この「理解」および「ひらめき」のメカニズムとして、「新結合」理論を考えてみます。また、新結合とは、複数の神経細胞シナプスからなる系に保存された情報同士が新しく結合を果たすこととして定義します。経済学者のヨーゼフ・シュンペーターの言葉を借りました。

 

【理解】

仮説u:理解とは、「処理中の新情報」と「既知記憶」が結合することである

 

例えば、読書などをしている時、本にある言語情報は人間の目から脳幹・後頭葉を通って伝達・処理されます。このプロセス中で生じる文書理解は、感覚器官から伝達された「新情報」と脳の側頭葉に保存されている「記憶」が結合を起こすことにより生じるものであると考えられます。これが「理解の新結合」です。

 

 

【創造・ひらめき】

仮説i:ひらめきは記憶同士の新結合または新情報と記憶の新結合によって生じる。

 

例えば、ペガサスという概念があります。そして、ペガサスは地球上に存在しない架空の動物なので、「ひらめき」によって生じた概念であるといえます。また、ペガサスは「羽」と「馬」と「飛ぶという性質」が結合したものであるといえます。脳のメカニズムから考えると、ペガサスを最初に考え出した人の脳内で意味記憶として脳に保存されていた「羽」「馬」「飛ぶという性質」の概念が結合することによって複合概念として「ペガサス」が産まれたということになります。

 

他にも、アーティストが創るアイデアやビジネスモデルなどにも「新結合」を垣間見ることができます。例えば、使い捨て刃の髭剃りを開発したジレット社の発明品も「髭剃り」×「使い捨ての何か」から生じたものであると考えられます。

 

【終わり】

以上の様に、理解とひらめきは、脳神経という観点からいう「新結合」によって生じるものであると考えられます。